(この記事はバレエ以外のことを書いています)
昔は企業が人材を育てていました。入社してからインストラクターについて、1年くらいは一緒に現場についてまわって、経験を積んで一人前に育ちました。
けれども、現在は企業側にその余裕がなくなり、大学卒業後に即戦力として使える人材が求められるようになりました。
ゆえに、学生にはそのしわ寄せがきて学生時代は、いかに社会を泳いでいくスキルを身につけて卒業するか、が求められる時代になっています。
ゆとりは消えました。
現場では
現在教育現場で学生の近くで働いています。
企業に余裕がなくなり、就活は年々早まっています。大学に入ったばかりの、まだあどけない顔をしている1年生でさえも、就活を見据えて4年間を設計することはもう珍しくありません。
学生たちは見えない圧力の中で育ち、のんびりさんには居心地の悪い世の中になったといえるかもしれません。
急いで大人にならされる。「ゆっくり・のんびりさん」もたくさんいるはずなのに、一様に「急いで立派に大きくなるんだよ」と言わんばかりの詰め込みようです。
そのような急かされた環境が向いているタイプは、資格を取ったり、留学したり、部活動に打ち込んだり、学生時代を有効に活用して就活に臨めます。
でものんびりタイプには、苦しいだろうと思います。
ただ、どちらがいいとも言い切れません。
前者が社会に出てからバーンアウトする例もあるし、後者はゆっくり成長した分、地味だけど着実に自分の力で社会に適応する例もあります。
選択肢は多い方が自らを助ける
一度ドロップアウトすると、敗者復活戦はなかなか難しいように感じることもあるでしょう。
でも何度でもやり直しはききます。みんなと一緒!&それまでの自分にこだわらなければ。(←実はこれがなかなか難しい)
例えば、大人になっても学びなおしはいくらでもできます。世間をある程度知って、学びの場に戻っていいのです。
現役の学生とは異なり、広い視野で世の中を見た経験が、異なった角度から学問を捉えるようにしてくれる。気持ちの余裕だってできるかもしれません。
海外では日本よりも寛容な環境が整っているところは、多くあるといいます。
南アジアの大学などは、1年に何度も入学式と卒業式が行われています。
いつ入って、いつ出てもいい。日本のように桜の季節に縛られる必要もありません。
「外に目を向けられるように」するためには、外国語や海外の文化を知っておくことは無駄になりません。
今はSNSやYoutubeで簡単に外国を見て、知ることができます。興味を持ったらその国に実際に行ってもいい。
入り口はパソコンの画面で、そのあとにリアルな世界がくっついて、新しいものを学ぶ。そういう時代になりました。
外国語や海外でなくても、趣味でも好きなことでも何でも構いません。
そういう点では、あらゆる事がSNSを通して、より私たちの身近になりました。
選択肢は多い方が自らを助けます。
大コケしてしまった場合
ただ、どうにも起き上がれないほどにコケてしまった場合、当然誰かの助けが必要でしょう(ちょっと経験者です)
しおれかけている花には、添え木が必要であるように。
これは子どもも大人も同じ。一人で立てるようになるまで、栄養を与え、声援を送り、ゆっくり回復を待てばいいと思います。
実際、それしかできないのです。体裁やら、周囲の声やら、その他のあれこれは全く関係ありません。
放置されて、しおれてしまう危機を、医師は医療で身体からは支えることはできるかもしれませんが、心理面の栄養は周りの支えが必要です。
しおれかかっている花には肥料を、沿道で倒れてしまったランナーには水と声援を。
ちょっと似ているかな。(笑)
深刻な事例をいくつか知っていますが、多くの場合は水をやりすぎたか、足りなかったか、直射日光に当てすぎてしまったか。
強い花は自分で育っていくけれど、繊細な花は手間暇をかけて育ちます。
恵まれすぎた環境を与えても育ちが悪いし、「育てる」って本当に難しいですね。
「育てる」は、時間がかかる。
何でもお手軽に、素早く手に入る世の中らだからこそ、大切にしたいです。
